第38回『書店業界のアルケミストが語るSince2001年起業の旅』

 今回は、福岡ブックスキューブリック店主の大井実さんに、ご登壇頂きました。今年1月に上梓された大井店主の著書『ローカルブックストアである~福岡ブックスキューブリック(晶文社刊)』の内容をダイジェストで触れつつ、且つ本書には書かれていない、大井店主の起業マインドを探っていく構成で進めていきました。

 

 2001年、出版不況で軒並み街の小さな本屋さんが廃業していった時代。そのさなかに、福岡市近郊の街角でひっそりと船出した15坪余りのちいさな本屋さん、ブックスキューブリック。店主の大井さんは、本屋はおろか、商いの経験などまったくない、ズブの素人でした。のちに彼は、ブックオカと呼ばれるイベント発足の中心人物となり、本屋さんから、街コミュニティの活性化を画策します。

 

 『文化縁』でコミュニティを再生したい。その原動力は、彼の人生遍歴の一体どこから生まれたものだったのか…それが、この勉強会で明らかにしたいひとつめのテーマでした。

ふたつめは、大井店主の『起業マインド』を探る試み。「自分は起業家というよりアーティスト」と語る大井さんですが、小資本ながら大資本の土俵に乗らず、独自の目線でご商売を確立していった手法や、浮気をしないファンづくりを徹底して追及する姿は、非常に参考にしたいところです。

「最初からミッションに囚われなくていい」「一般論を信じるな!隙間を探せ!」「商売は四方よしで」「お客さんを選ぶ、お客さんから選ばれる(関係構築)」。

 

いずれも、独自の目線と刺激に満ちた、小商いのヒントでした。