今回は、NPO法人国際教育支援機構スマイリーフラワーズ代表窪田広信氏にご登壇頂きました。カナエール福岡は、児童養護施設退所後に進学を志す子供たちを資金面から支援する為、13年から活動を開始。翌年から4年間に渡り、大規模イベントを開催して、述べ2千5百人を動員する等、地道な活動で支援者を集めました。寄付は5千万円を超え、多くの子供たちの進学の夢を叶えました。
元々は東京のNPO法人が始めたこの試みを、福岡でも開催したいと熱望した窪田氏ですが、開催の為の諸条件は、当時の彼にとっては、人脈的にも経済的にも、かなりハードルが高いものでした。
当時、がむしゃらになって取り組んだ時のステップを窪田氏は以下のように表現してくれました。曰く、とにかくありとあらゆる場所で「宣言」し、誰にでもイメージしやすいように、仕組みとビジョンの「設計図を描く」。そして繰り返し、それを「発信」する。窪田氏の必死の取り組みは功を奏し、支援者と人脈は、異例のスピードで膨れあがります。初年度のイベントの模様は多くの媒体で報道され、さらにたくさんの市民が、スタッフとしての支援を申し出る結果につながったのです。
ところが、組織が急激に成長する中、スタッフ間で思わぬ軋轢が生じます。初年度の準備期間中、彼の使命感やビジョンは、小さな組織内でしっかり共有がなされていました。しかし、その後の拡大増殖していく組織の中で、そのイメージは次第にぼやけ、スタッフ個々の目線の統一を図ることが困難になっていたのです。
「リーダーシップ」と「マネジメント」の本来の意味を見失っていたと振り返る窪田氏ですが、カナエール以降の、施設出身児童の自立を見据えた様々な取り組みに、その教訓は生かされつつあります。「成長し続ける人」「挑戦し続ける人」としての窪田氏の輪郭が、さらに鮮明となった学びの場でした。
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