先日、長らくお世話になっているお客様から、「追立さんは、相続対策の保険は扱っていないんですよね?」と聞かれ、「いえ、しっかりご提案させて頂きますよ!」とお答えしました。くわしくお伺いすると、お身内に紹介された保険会社から、親御さんの相続対策として、生命保険を活用した提案を受けられたらしく、その時に私の顔が浮かんだものの、かつて提案された覚えがなかったので、専門外なのでは、と思われたのだとか。
相続対策は、生命保険が最も活躍出来るテーマ。お客様から専門外だと思われたことは、担当者として、とても恥ずかしいことです。
イスラム教の寓話に『暗闇のなかのゾウ』というお話があります。
ある村に、見世物を生業とするインド人がゾウを連れてやってきました。ゾウを見たことがない村人を驚かせるため、光が射さない小屋にゾウを押し込み、暗闇のなかで村人たちに触らせました。
ゾウを触った村人たちは、各々違った印象を持ちました。ある者は鼻だけを触って、水道管のような生き物だと思い、またある者は耳だけを触って、扇のような生き物だと思いました。足を触った者は柱のような生き物だ、背中に触れた者は王座のようだと主張し、しまいには口論となります。結局、ゾウの正体について、結論が出ることはありませんでした。
この数年、マーケットに対する自身の見せ方を『若い起業家さんを応援するファイナンシャル・プランナー』として強調してきました。従って、ご提案差し上げるプランも、若い経営者さん向けの保障が中心となっていました。もちろん、公的なFP資格を2つ取得していますので、相続対策についての基本的な知識は持ち合わせています。ただ、前述の見せ方や見られ方を意識するあまり、生命保険やライフ・プランニングの全貌について、しっかりご説明出来ていなかったのでしょう。
「ゾウの鼻」ばかりを強調して、全貌が曖昧になってしまっては、お客様に対してのお役立ちも中途半端に終わってしまいます。見せ方の改善が必要ですね。ご指摘頂いたお客様に感謝申し上げます。
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