今回は、スタジオシブヤ代表で、人財育成コンサルタントの澁谷有里さんにご登壇頂きました。
20代の頃は、プロのファッションモデルとして多くのショーに出演してきた澁谷さん。98年には、その経験を活かしてウォーキングレッスンのスタジオを開設。多くの芸能人やモデルに歩き方や立ち振る舞いを指導しました。そんな彼女の転機は、05年の『愛・地球博』でのお仕事。トヨタ館のアテンダントに対する立ち振る舞いの指導を任され、働きが認められた彼女は、その後、接遇講師業のお仕事を増やしていきます。ご本人曰く「安請け合いで負けず嫌いな性格」もあり、仕事幅や範囲は益々拡大、気が付けば現在のお仕事内容につながっていました。
彼女が現在憂慮している事態が、企業からの人財流出。せっかくコストと時間を掛けて社員を育てても、組織内でのコミュニケーション不足やハラスメント、クレーム客への対応疲れ等を原因とする休職者や退職者の数は一向に減りません。ただでさえ労働者人口が減る傾向にあり、良い働き手の確保が難しくなっている昨今、いかに『従業員満足度(ES)』を高めていくかが、経営基盤強化のための、最も手っ取り早い施策となる。ご自身が社員教育を担当した優秀な「教え子」たちが、前述した課題によって次々と職場を離れていく現状に胸を痛めつつ、彼女はそう確信したのです。
今回の勉強会では、そうした課題に対して改善に取り組む企業の事例も紹介しつつ、彼女が経営者とともにどのような改善活動を行っているかを、主に「チームワーク醸成」と「クレーム対策」を例に取り、ご紹介頂きました。また、参加者にご自身の「仕事の価値観」を順位付けしてもらい、それをシェアすることによって、いかに他者への理解が深まるかを実感してもらう為のワークも実施し、非常に活発な意見交換が行われました。
昨年、思いがけず乳がんを患い、左の乳房を切除したという澁谷さん。その時に人生のどん底まで落とされつつも、生還を果たした彼女が気付いたこと。それは、「目の前のたくさんの人の笑顔が、私のエネルギーなのだ」という事実。今まで身につけてきた、さまざまな経験や知識を与える事で、まわりを笑顔にしていきたい。それが、あらたな彼女の使命となったのです。「私の人生はカツオ節。どんどん削ってよい出汁取ってね。」という言葉に、彼女の底知れぬ強さを感じました。
コメントをお書きください