勉強会の象徴的ミッション 『ヒーローズ・ジャーニー』とは?

 ビジ×モン勉強会では三つのミッションを掲げています。『起業家のイノベーション・マインドを応援します』『起業家のヒーローズ・ジャーニーを表現します』『起業に価値を見出す全ての人たちのご縁を育みます』といったものですが、特に『ヒーローズ・ジャーニー』という言葉は、当勉強会の最たる特徴を表していると云えるかもしれません。

 

 この言葉は、アメリカの神話学の権威であったジョーゼフ・キャンベル博士(故人)が提唱されたもので、曰く「世界中の、また歴史上いろいろな英雄神話のなかに共通して見られる、ひとつの典型的な英雄物語のプロット」であると解説されています。

 

 例えば、神話ではなくても、海外のファンタジーの名著『ナルニア国物語』や『指輪物語』、『はてしない物語』はご存知でしょうか?

 

 はじめは無力な主人公が、住み慣れた故郷を追われ、様々な困難を孕んだ長い旅に出ます。ひとつひとつの困難に立ち向かう度に、主人公は成長し、導師に導かれ、心強い仲間を得ていきます。その先には崇高な目的を果たしての故郷への帰還が待っているのです。つまり『ヒーローズ・ジャーニー』とは、古今東西の人たちの心を激しく震わせてきた英雄譚のかたちを総称しているわけです。

 

 余談ですが、ジョージ・ルーカスもキャンベル博士の神話論の信奉者であったというのは有名な話です。その手法を元に描いた70年代のスペース・オペラの傑作『スター・ウォーズ』は、未だに熱烈なファンに支持される、歴史的な映画作品となりました。

 

 勉強会が発足した当初は、この『ヒーローズ・ジャーニー』のプロットと起業家の歩みを、トレースして表現する取り組みはまだ存在しませんでした。しかしながら、次第に回を重ね、プレゼンターとしてお招きした起業家の皆さんの様々な想いや野心(使命感や覚悟など)、そして今現在に至るまでのドラマチックな道程に触れていくうちに、このミッションが形成されていったのです。今や勉強会を象徴するミッションであり、欠かせない構成要素となりました。今後も、身近に活躍されているたくさんの英雄【起業家】たちの物語を、丁寧に紡ぎ出していく会でありたいと願っています。

 

※写真はジョーゼフ・キャンベル博士の代表作『千の顔をもつ英雄(上巻)/早川書房刊』。