第62回『オープンソースの概念がヒントに。こども服交換サービスの現場から』

今回は、株式会社BLUE STYLE 代表取締役の外谷(とや)洋二郎氏にご登壇頂きました。こども服をめぐる問題は、若いお母さんの悩みの種のひとつでしょう。やんちゃでヨゴし放題のわが子には、出来るだけ服をたくさん用意してあげたい。とはいうものの、成長もサイズアウトも早い。揃えるのにはお金も掛かる。一方で、用済みの服の処分も、頭がイタイところ。ある情報サイトの調査では、子育て中の女性約400名のうちの83%強が、こども服のリユースに関心を持っていますが、そのうちの半分強のママさんは、様々な理由でリユース出来ていないというデータもあります。

 

その課題に着目した外谷氏率いるプロジェクトチーム。約3年の準備期間を費やし、昨年5月にリリースしたウェブ通販サイトが、『こども服のお下がりシェアサービスLynks(リンクス)』です。画期的な「モノのシェアサービス」として関心が集まり、準備段階から様々なメディアに注目されてきたLynksは、現在、自治体や大手地場企業の賛同を得て、新たな成長段階に進んでいます。

 

勉強会では、画期的な仕組みを生み出した外谷氏の原点についても、掘り下げてみました。外谷氏は、国内最大手通販支援サービス『ECーCUBE』のエバンジェリストでもあります。家業の書道用品販売に、その機能を活用したのがきっかけでしたが、オープンソースという概念のもとにリリースされた仕組みと、それを支える開発支援者たちの使命感に深く共感し、自らもこのサービスの開発・推進に携わる道を選ばれました。

 

世の中に無償公開され、活用が促進されればされるほど技術的に成長し、社会貢献のインフラとして定着する、ユーザー・ファースト視点のビジネス。そんなサービスを自分たちも作れないか。その壮大な社会実験に身を投じた外谷氏の想いが、Lynksを通じて体現されつつあります。