今回は、ブロックチェーン技術を研究開発し、社会実装を進める九州随一のインテグレーター企業、株式会社チェーントープ取締役の村上照明氏にご登壇頂きました。
ブロックチェーン技術は、2010年に話題となった仮想通貨の登場により、その名称を知られるようになりました。今回の勉強会では、実際にチェーントープ社が取り組んでいるプロジェクトを通じて、仮想通貨だけではない、その多様な可能性を垣間見る機会となりました。
ブロックチェーン技術には大別して三つの種類があります。事業者が情報を一括管理する「プライベートチェーン」、連携する事業者間のみに限定して情報を管理する「コンソーシアムチェーン」、事業者からエンドユーザーまで、誰もが対等な立場で情報を分散管理する「パブリックチェーン」です。
村上氏は、このパブリックチェーンの活用にこそ、ブロックチェーンが社会を変革する大いなる可能性が秘められていると主張します。実際、会社の開発案件は、このパブリックチェーン技術の活用が主だったものだそうです。
チェーントープ社には、設計の根幹となる共通認識があります。彼らが「価値感のプロトコル(規格)」と呼んでいる「マサチェーンプロジェクト」です。金銭的価値の一軸が支配する現在の資本主義から、多様な価値観や社会関係性を活かす資本主義への転換を目指す。その一助として、ブロックチェーンの活用は不可欠なのだと。
地域社会やさまざまなコミュニティのなかには、金銭価値のみで動いていない人々もたくさんいます。では、彼らは経済を支えていないのかというと、そうではない。彼らに寄せる「信頼関係」や「期待感」が下支えとなって、社会の成長を促している側面もある。そういう人々が公平・公正に評価され、社会参加出来る世界を創りたい。それが、村上氏とその仲間たちが夢見ている理想郷なのです。
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