現在の仕事に転職した10年前、最初の一年目は惨憺たるものでした。
研修を経て保険営業を開始した直後は、身内や友人を頼ってなんとか挙績出来たものの、後が全く続かない。いつ会社を辞めてもおかしくない状況が、長らく続きました。その時に出逢ったのが、今回ご紹介する映画『フランク・ベチャー物語』です。※クリックするとYouTube公開中の本編に移行します。正規の投稿ではありませんので、ご興味のある方はお早めに。
実在の伝説的保険外交員、フランク・ベチャー(ベドガー)の商売哲学を紹介した有名な著作本『私はどうして販売外交に成功したか(フランク・ベドガー著/ダイヤモンド社刊)』を、30分程度に短くまとめて映画化。ビジネスマン向けの教育映画といった体裁ですが、何度観てもビジネスのヒントとなる考え方と手法が満載で、私も幾度となく見直し、参考にするとともに、仕事を続けるための勇気をもらい続けました。
映画は、冒頭の「あなたの売る品物が靴でも船でもたとえ何物であろうと、あなたはこの映画で、一人の平凡な人間を失意から成功へと導いた強力な原動力が何であったかを学ぶでしょう」というメッセージからはじまりますが、まさしくその通りで、ベチャーの、仕事へのたゆまぬ情熱を支え続けた商売哲学と、それを形成するに至った過程が、簡潔に語られています。
20世紀初頭、米大リーガーの人気選手として活躍していたベチャーは若くして腕を痛め、引退を余儀なくされます。学校も満足に出ていなかった彼が、生活のために新たに選んだ仕事は、生命保険の外交員。しかし、飛び込んだ客先では全く相手にされず、失意のどん底に突き落とされた彼は、仕方なく退職を決心します。
職場の私物を整理していた時、社長が他の社員を引き連れてオフィスに入ってきました。聞くともなく耳に飛び込んできた社長の言葉に、彼は大きなヒントを得ます。
「なあ諸君、我々のセールスという仕事は、『ただひたすら人に会う』この一言に尽きるんだよ」
この社長の言葉に着想を得て、彼は秩序だった行動原則を自らの活動に組み入れていきます。やがて10年後に彼が達成する、大いなる成功の礎づくりが始まりました。他者の成功体験を一旦模倣し、実践し、分析後に改善策を取り入れて、独自の手法に仕上げていく。この『守破離』の徹底的な実践が、彼に自信と成長を与えたのです。
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