オトナだって忘れがち。あらためて読みたい『よのなかルールブック』。

日々、子どもたちの言動が気にならない日はありません。

もっと寛容に子育てをしたいと思いながらも、気がつけば、ついちょっとしたことでも干渉し、時には声を荒げて注意します。そして、思うのです。この子はちゃんと社会的な生活が出来るように育ってくれるのかな、と。大体そういう時は、自分のことはちゃっかり棚に上げていたりするのですが(笑)。子どもたちに自分が感じている懸念をどのように伝えたらよいだろう。そんな課題に直面しています。

 

先日手にした本、『メシが食える大人になる!よのなかルールブック(高濱正伸著/日本図書センター刊)』は、まさにタイトルからして、「コレだ!」と唸らせるドンピシャ感満載で、すぐさま購入しました。

 

本の中身は期待以上……を通り越し、子どもたちより、むしろ私自身がダメダメ感を指摘されているかのようなインパクト。ウンウン唸りながら読み進み、メシが食えるオトナとはかくあるものかと、自身の思考を振り返って、思いをあらたにしたのでした。

 

著者の高濱先生は、自らも『花まる学習会』を全国で主宰されている教育者です。また、戦後以来連綿と続く、計算学習や漢字書き取りといった、暗記学習偏重の幼児公教育に対して、改革を訴え続けている第一人者でもあります。

 

暗記学習のような「誰でもやれる基盤の力」は、当然ながら既に答えが存在するものに対して有効です。一方、先生が「後々、『実力差』として大きく影響する力」であると重要視されている、「思考力」「発想力」「感性」といったものは、特に大人になってから直面することが多い「自分が置かれた環境特有の課題」あるいは「誰も見つけていなかった課題」に対する答えを導き出していくのに有効で、むしろそれは、特に4~9歳の子どもたちこそ優先されるべき学習内容だと主張されています。先生が理念として掲げられている、「メシが食える大人」に子どもを育てるのに、必要不可欠な素養であるとも仰っています。

 

今回の本には、自身で解決策を導き出すために必要な行動のヒントを、「ルール」として表現されています。私たち大人でも充分に効く金言の数々。ぜひ本を手に取られて、まずはわが身を振り返りつつ、子どもへのメッセージに思いを巡らせてみて下さい。