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ベーシックインカムと新しい資本主義(後編)

前回中編の最後に、ベーシックインカム(以下BI)を実施するにおいては、財源の確保が最大の課題になるという点をお伝えしました。完全にBIを実現するとなると、多額の予算が必要になります。現在の社会保障を簡素化し、運営コスト軽減を図るだけでは、なかなか難しいでしょう。

 

そこで注目されるのが「限定的型」BI。例えば、「給付付き税額控除」というプランが存在します。このプランは簡単にいうと、以下のように表現出来ます。

 

***所得に応じて減税と給付を同時に実施***

●高所得者には所得税を減税

●低所得者には現金を給付

 

これを実施するために必要な、所得や資産を正確に把握する仕組みも、マイナンバー制度の推進により整備されつつあります。あわせて、現在の手厚い社会保障制度や所得税における各種控除も、見直す必要性が出てきます。

 

さて、我々国民は、国からこの選択肢を提示された時、どちらを選ぶでしょうか。いずれを選択するにしても、個々人によってさまざまな一長一短が発生することは否めないでしょう。その時は高所の視点に立ち、今現在の自身の利益よりも、将来の国家国民にとって何が最良かで判断したいものです。