先日の連休中盤。中学一年生の娘が、珍しくノートを広げてレポートを書いていました。覗きこむと、表題に「日本国憲法とは」と記しています。しかしながら、本文の構想が浮かばないらしく、困り顔でノートとにらめっこ。「参考にしなさい」と一冊の薄手の本を娘に渡しました。
『日本国憲法(童話屋刊)』という80頁にも満たない本で、中身は日本国憲法全文が掲載されています。比較的読みやすい文字と丁寧なルビで、子ども向けとわかる仕様ですが、ポケットに忍ばせたり、とにかく手に取りやすいサイズなので、気に入っています。
5月3日の憲法記念日。今年は公布から75年の節目でした。娘の宿題に感化され、「そういえば他国のものと比較して、わが国の憲法はどんな特徴があるのだろう」と調べてみたところ、いくつかの意外な事実に遭遇しました。3点ほど紹介していきます。
①人権重視の憲法として、世界の憲法理念潮流の先頭に
日本国憲法が「人権尊重」の理念から作られていることは、現代日本人にとっては常識ですよね。各国で施行されているほとんどの憲法にも、人権を尊重する項目はありますが、日本国憲法は、その記載が相対的に多いそうです。特に、男女平等や労働者団結権について触れたことは、公布当時に存在していた各国憲法の中でも、極めて異色でした。
日本国憲法が施行されて以降、世界各国で誕生した憲法には、人権重視の傾向が顕著とのことで、その影響力を日本国憲法に求める向きもあるようです。
②世界一の長寿憲法
日本国憲法は世界では14番目に古いとされていますが、一度も改憲されていない事実からみると、世界一の長寿憲法なのだそうです。理由のひとつには、細かいルールを法律に委ねている記述が多いからなのだとか。改憲主張もよく聞かれますが、個人的には憲法前文だけは、決して変えてほしくないです。
③実は「唯一の平和憲法」ではない
第二章第九条で「戦争の放棄」を謳っているわが国の憲法を、「唯一の平和憲法」と見ている人は多いと思いますが、それは正確ではありません。九条は、現在の国連憲章二条四項の理念に沿って記載したもので、固有のものではないのです。
また、国連憲章五十一条では、「自衛権の行使」についても言及されており、これがわが国の自衛隊の存在根拠ともなっています。
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