夏はやっぱり青春映画!眩しくて愛おしい、オバカムービーの新スタンダード。

みなさんの学生時代、何に熱中していましたか?

私はもっぱら、仲間との漫画雑誌づくりでした。あの頃を思い出すと、徹夜で製本を終えたあとの、仲間と缶ジュースで乾杯した、夜明け前の夏空が脳裏に浮かんできます。どうやら青春のひと幕というものは、夏の風景に映えるようです。なので、夏真只中の今回は、令和発・青春映画のご紹介です!

 

昨年公開の映画『サマーフィルムにのって(松本壮史監督/パイプライン制作、ハピネットファントム・スタジオ配給)』は、松本監督曰く、「最高にしびれる青春映画を撮りたい」という思いのもと、「友情も恋愛もSFもアクションも、夏の空気と一緒に全部ギュッと」詰め込んで撮った作品とのこと。あまりにも詰め込み過ぎの感もありますが(笑)、「青春」というフィルタを通して見えるその光景は、清々しく映ります。

主演の仲良し三人組を演じた、伊藤万理華(元乃木坂46)ほか、若手女優陣の熱演にも注目です。

 

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河川敷に放置されているボロボロのキャンピングカーに集う、女子高生三人組。時代劇マニアのハダシ(伊藤万理華)、SF好きのビート板(河合優実)、剣道の達人ブルーハワイ(祷キララ)は、今日も秘密基地と化した車内で、勝新太郎主演の『座頭市』に酔い痴れています。

 

ハダシには、『武士の青春』というオリジナル脚本で、映画を撮る夢があったのですが、所属する映画部のコンペで「どクサレ青春キラキラムービー(勝手なハダシの評価です)」に敗れてしまい、意気消沈の夏を過ごしています。

 

そんなハダシの前に突如現れた謎の青年凛太郎(金子大地)。

彼は脚本の武士役に、あまりにもピッタリ。興奮したハダシは、凛太郎を拉致説得し、ビート板やブルーハワイの助力応援も得て、仲間とともに映画制作に乗り出します。「映画ってさ、スクリーンを通して、今と過去をつないでくれるんだと思う」。ハダシの純粋な映画愛に導かれて、様々な困難に遭遇しながらも、撮影は順調に進みます。

 

しかし、実は凛太郎が遥か未来からやって来た存在であることが発覚。「未来では映画はなくなっている」ことを知ってしまったハダシは、強烈な絶望感に襲われ、映画制作は最大の危機を迎えます。