家族関係をテーマにした映画をよく観ます。
自分自身が家族を持つようになってからは、特に観る本数が増えたかもしれません。
家族って、本当に厄介なコミュニティだと思います。一緒に暮らしていても離れていても、個々の家族の心配事やトラブルは、気づかないうちに、みんなで共有していることが多い。
結婚式などで贈られる言葉に、「(家族になったら)喜びは倍に、悲しみは半分に」というものがありますが、心配事やトラブルも、確実に家族の人数だけ、倍になって圧し掛かってくるような気がします(笑)。それでも家族が強いのは、イザという時には、お互いがその大きな困難に対して、自分なりの役割を担うために向き合おうとするから、なんですよね。
今回ご紹介する映画『リトル・ミス・サンシャイン(ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス監督/ ビッグ・ビーチ・フィルムズ制作、サーチライト・ピクチャーズ配給)』は、破天荒なコメディ映画の秀作ですが、どうしようもなく壊れかかった家族が、子どもの一大事を契機として信頼と絆を取り戻していく、そんな物語でもあります。ポンコツマイクロバスで家族が挑む800マイルの旅路。笑い泣きしながらハラハラしつつ楽しめる、そんな作品です。
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ニューメキシコ州で暮らすフーヴァー家はクセ者揃い。家族の仲はギクシャクしています。家長のリチャードは、売り出し中の自己啓発トレーナーで、なかなか芽が出ず。彼の父エドウィンは、ヤク中で女好きの不良老人。15歳の長男ドウェーンは、パイロットになるべく「沈黙の誓い」を実行中。
主婦のシェリルは、家族の世話に疲れ切っていますが、そんな彼女に、文学者でゲイの兄フランクの自殺未遂の報が知らされます。
ある日、7歳の長女オリーヴにミスコン本選の合格通知が届きます。喜びを爆発させるオリーヴ。なぜか全員で応援に行くことに。
本選地のカリフォルニアの会場までは800マイル。お金がないフーヴァー家に家族全員の旅費は大金です。家族は節約のため、自家用の黄色いポンコツマイクロバスでの遠征旅行を決意。発進さえままならないバスの旅に、さまざまな試練が降りかかります。
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