保険を備えることの有効性について考えるとき、行動経済学の理論が役に立ちます。特に、以下の2つの理論(お金に対する価値観の一般的習性)については、とても参考になるポイントといえます。
●不当な損は、少しであっても大きなストレス
『損失回避』という心理の働きです。
私たちは少しぐらい得をしてもあまり喜びませんが、納得いかない理由で損をすると、少しの出費でも強烈にストレスを感じます。不意の病気で治療費がかさむことも同様でしょう。治療も大変なのに、経済的な心配までしてしまう。こんな状況こそ回避しなければなりません。
●目先の価値を優先し、将来の価値を軽視する
『現在バイアス』という心理の働きです。
将来のリスクに対する備えに「貯金があれば大丈夫」と答える方がいますが、キャッシュは目先の価値判断(今スグ欲しい!)に弱いもの。準備していたつもりでも、フタを開けてみたら別の用途に使っていた、なんて話はよく聞きます。保険は将来のリスクに必ず応えられる仕組み。万が一の時のリスクに、確実にお金が準備されているのです。
※行動経済学とは:
心理学と経済学を合わせた学問。利益を目の前にしたときの(必ずしも合理的とはいえない)人間の行動が主な研究対象とされる。
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