気持ちや体調が乱れがちなこの時期「つり革瞑想」でリフレッシュ。

気がつけば、街のいたる所で、年末年始を迎える準備が始まっています。よりよい一年の締めくくりとしたいがために、焦りがちになるこの季節は、気持ちや体調も乱れがち。気をつけたいですよね。

 

先日、湯船に浸かりながら深夜ラジオを聴いていたら、耳慣れない言葉が飛び込んできました。オランダ発の言葉で『ニクセン』というのですが、日頃、心の健康に気を遣っておられる方などは、既にご存じかもしれませんね。

 

『ニクセン(Niksen)』とは、オランダ語で「敢えて何もしない」「目的を持たずに時間を過ごす」という意味なのだとか。これが現在、欧米の精神科医や心をケアする人たちの間で注目されているのだそうです。

 

ストレス社会の現代において、心身の不調を訴えたり、燃え尽き症候群に罹ってしまったりする人は増加傾向。これを少しでも改善する目的で、この『ニクセン』の考え方が、積極的に治療に取り入れられているのだとか。

 

ラジオでお話をされていたのは、臨済宗の僧侶で精神科医の川野泰周氏です。氏はマインドフルネスの研究家としても有名で、心の健康をテーマとして、多くの著書を執筆されています。

 

川野氏は、『つり革瞑想』(クリックすると川野氏によるYouTube動画が流れます)という独自の瞑想法を考案されていて、これは、多少なりともニクセンの要素に共通するものがあると思われます。

 

瞑想は、仕事やストレスで疲弊した脳をクリアにし、心を整えて「あるがままの自分」を受け入れるためのものですが、それを満員電車の中でも行えるよう考案されました。ストレスが溜まりやすい年末。日常生活の限られたスキマ時間を利用して、試されてみてはいかが?

 

***川野泰周氏『つり革瞑想』の簡単な流れ***

 

1.     まずは背筋を伸ばす。立位の場合は吊り革や手すりにしっかりつかまる。

 

2.     目を閉じて、自然な呼吸を行う。しばらくは、鼻を通る空気の流れや、身体が膨らみ縮みする動きを感じる。

 

3.     ゆっくり目を開け、車内や車窓の景色を観察、写真を撮るように記憶する。

 

4.     ゆっくり目を閉じ、先ほどの風景を細かく思い出してみる。そして、車内にある自分の身体が、別世界(例えば宇宙空間)へと旅立つイメージを想像。しばらく、別世界で身体を自由に遊ばせる。

 

5.     大きく深呼吸してゆっくり息を吐く。現実の自分の身体に意識を戻す。

 

6.     ゆっくり目を開け、現実の車内や車窓を見渡す。瞑想前に見ていた風景と比較し、見え方のちがいを味わってみる。