酒は飲んでも呑まれるな?冴えない教師たちが挑む、飲酒効果実験の末路。

年末年始シーズンを控えて、飲み会のお声掛けがチラホラと聞こえはじめる時期ですね。ウィズコロナがようやく馴染みはじめました。夜の街なかも昨年以上に賑わうことでしょう。

 

そんな時節に水を差すわけではありませんが、今回は飲酒のメリット・デメリットについて、わかりやすく描いた映画をご紹介します。昨年公開され、数々の国際映画賞を受賞したデンマーク映画『アナザーラウンド(トマス・ヴィンターベア監督/ツェントローパ他制作、クロックワークス他配給)』。主演は、『北欧の至宝』の異名を持つ俳優、マッツ・ミケルセン。私も大好きな役者さんです。 

 

ちなみに、デンマークは国民幸福度が上位の国として知られていますが、飲酒大国としても有名。驚くべきことに、飲酒の年齢制限が存在しません(但し、比較的軽めのお酒を購入出来る年齢は16歳から)。ですので、デンマークの家庭では、子どもの頃から、お酒が身近にある環境なのですね。

 

劇中で高校生たちがビールを暴飲したり、教師に対して一週間の飲酒量をあからさまに伝えるシーンがありますが、これはこの国ならではの風景。それだけに、若いうちから飲酒の功罪を知り尽くしている国民なのかもしれません。

 

「お酒飲むひと、花ならつぼみ」なんて言葉もあります。ホドホドに愉しむのがいちばん。そんな感想を与えてくれる作品です。

 

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高校教師のマーティン(ミケルセン)は、仕事も私生活もまったく冴えない毎日を送っています。

 

友人で同僚教師のニコライの誕生日会。飲酒を渋る元気のないマーティンに、友人はある学者の説を紹介して酒をすすめます。学者曰く「血中アルコール濃度を常に0.05%に保つと、仕事も私生活もうまくいく」というのです。

 

翌日、マーティンは授業の前にこっそり飲酒。その日の授業は、いつもより活気のある授業が出来ました。そんな彼の姿を見ていたニコライは、例の学者の説を証明する実験を思い立ち、マーティンら仲間に提案します。

 

味気ない生活にうんざりしていた仲間たちは勇んで参加。そして、飲酒のメリットは見事に実証されていくのですが、実験は次第にエスカレート。彼らに思わぬトラブルが待ち受けているのでした。