生前贈与の課税ルール変更点（前編）

2023年度の税制改正大綱が発表されました。

そのうち、「生前贈与の課税ルール変更点」について、2回に分けてお伝えします。前編は「生前贈与の持ち戻し期間が3年から7年に延長へ」についてです。

生前贈与のひとつの仕組みとして『暦年課税の生前贈与』というものがあります。簡単にご説明すると、以下のようなものです。

●どういう仕組み？

長期に渡って毎年110万円以下の金額を無税で贈与が出来ます。申告も必要ありません。

●誰が使えるの？

贈与・受贈者ともに関係上の制限はありません。

●相続税との関係は？

贈与者死亡日以前3年間（2023年迄）に贈与された財産は、相続の際、相続税の対象に持ち戻されます。

今回の改正で、2024年以降の持ち戻し期間は7年間に延長されます。また、4～7年間に贈与されたものは、100万円控除枠が設けられます。

国の意図としては、生前の早い段階で贈与を促し、子育てなどでお金の必要な時期に若年層に資産が渡りやすい仕組みを整えてもらいたい考えがあるようです。なお、ご活用の際は税理士・弁護士等の専門家にご相談されることをおすすめします。

《参照元：日経新聞令和5年1/1記事より》