昨年末から世界中の話題となっているものの一つに、米OpenAI社がサービスを開始した対話型AI『チャットGPT』があります。今現在、利用者登録をすれば、誰でもある程度利用できるので、既に試してみた方も多いでしょう。実際、サービスが公開されてから利用者が百万人を超えるまでの日数は、わずか5日だったとされており、インスタグラムの75日を大きく更新しています。
使い方は簡単で、質問や注文を投げかければ、ほぼ違和感がない回答(もしくは成果物)をストレスなく提供してくれます。私も遊び半分でさまざまな質問をしてみましたが、その回答内容の精度は期待値を大いに上回りました。友人の経営者は、チャットGPTに条件を与えて特殊な契約書の作成を命じたところ、その仕上がりに驚きを禁じ得なかったそうです。
福岡市内に拠点を置き、早くからAIを活用したサービスを展開されているベルズシステム社の小野寺隆氏に、チャットGPTについてお聞きしたところ、「完璧なものとは言えないが、精度はかなり高く、エポックメーキングなテクノロジーで驚異的」とのこと。また、今後のビジネスへの活用については、「AIが(人と)代替可能なプロセスは何処なのかを検討し、導入が進むのが一般的な流れとなる」とのことでした。
確かにここまでAIの作業精度が高まってくると、ただ単に論理的でわかりやすい文書が書けるとか、細かい知識や情報の収集活用に長けているだけの人材は、コスト的な面から見ても、不必要になってくる可能性が否めません。
小野寺氏もそういう観点から、「これから人が必要とされる仕事は、AIが量産する文章を精査し、人の感情に訴えかけるものへと加工出来る、より高度なデザイン力が求められるだろう。AIの成果物から最適なものを選択し、仕上げを施して最終成果物に整えるというプロセスが人の仕事になっていく」との見解を示しておられました。
プロデュース力とともに質問力も試されるこれからの人類。新たな領域での能力開発が、より一層求められる時代に突入しました。
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