みなさんは普段の職場やお仕事上で、新しいアイデアを求められることはありますか?例えば、新商品開発や既存商品の新展開(新しい切り口)、イベント企画など。
アイデア出しは大の得意だ、という方もおられる一方で、苦手な方も少なからずいらっしゃるでしょう。なかには「若い頃は得意だったけど、年を重ねて柔軟な思考が出来なくなった」と嘆かれる方もおられるかもしれません。今回は、そんな方にもお役に立てるかもしれない書籍のご紹介です。
田丸雅智さんは、新進気鋭の若手ショートショート作家です。
「ショートショート」とは、短編小説よりも短い、数千字程度で書かれる小説の事で、かつての人気作家では、星新一氏が有名ですね。少ない字数で印象的な結末を与えねばならないので、アイデア勝負のジャンルとも云えます。
当然、田丸さんがショートショート作家として活躍し続けるには、多作が求められます。次から次へと新しいアイデアを作品に投入しなければならない田丸さん。今までに空想力を活かした思考法をいくつも開発し、アイデアの枯渇に備えているのだそうです。
一般の方にショートショート作品の書き方を伝授するワークショップを展開する一方で、企業の商品開発でもこの発想法は活かせるのではないかと考え、2017年から企業向けのワークショップ『ショートショート発想法』を開催されています。「フィクションと現実の正のスパイラルをビジネスシーンで意図的に起こし、どんどん活性化させていけたら」というねらいが、田丸さんにはあります。
今回ご紹介する『ビジネスと発想法 空想からとんでもないアイデアを生みだす思考法(田丸雅智著/クロスメディア・パブリッシング刊)』では、そのワークショップで実践されている内容が、丁寧に紹介されています。非常にワクワクしながら発想術を学べる内容なので、ご興味のある方はぜひご一読を。
田丸さんは、日本人を「空想ネイティブ」な民族であると主張しています。空想力が試される漫画やアニメは、世界が認める日本人のお家芸。幼い頃から数多くの作品に親しんできた現代日本人が、空想力をビジネスに活かせないはずはない。ましてや空想力には、豊富な経験や学びも必要。子どもより大人が有利であることは否めない、とも。思考法さえ身に付けられたら、まだまだ日本人は、世界に先駆けた技術革新を起こせる可能性があるのです。
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