今回は復活開催記念として、おふたりの起業家対談を企画しました。ご登壇いただいたのは、株式会社喰道楽代表取締役の豊永憲司氏と、Tria Entertainment Agency株式会社代表取締役の松原隆司氏です。
昨年の12月中旬から、約一週間に渡って福岡市内で上演された舞台劇『繁盛店にはわけがある』は、7公演が盛況のうちに幕を閉じました。用意した席数の9割弱が埋まり、興行的にもまずまずの成績だったとのことです。
物語は、昨年春に上梓された豊永社長の半生記『繁盛店にはわけがある(豊永憲司著/梓書院刊)』をもとにして描かれています。「自分の会社を興して成功する」という夢を志す豊永青年が、七転八倒の奮闘ののち、現在のげんこつからあげ弁当のお店『博多とよ唐亭』を創業するまでの、波乱万丈な物語です。面白おかしくも、時には涙ありの展開は、観客をまったく飽きさせませんでした。
今回の勉強会では、劇中主人公のモデルとなった豊永社長と、その企画を実現したプロデューサーの松原さんにご登壇いただき、舞台劇実現の経緯になぞらえて、おふたりの「自分を信じ、夢をあきらめない」生き方について語っていただきました。
福岡に演劇文化を広め、舞台役者さんが本業だけで自立出来る仕組みをつくりたい。その夢に向かって邁進する松原さんを、コロナ禍の壁が幾度となく阻みます。もうこの夢はあきらめたほうがよいのではないか。そんなときに手にした本が、豊永社長の半生記でした。「やってみなわからんめえもん」というメッセージは、松原さんの気持ちを奮い立たせます。
松原さんの舞台化提案をふたつ返事で承諾した豊永社長は、完成した舞台を観ながら、終始涙が止まらなかったと言います。それまで、前だけを向いて自分の夢に猪突猛進してきた豊永社長。「七転び八起き」は、彼の生き方そのものであり、それがいままで関わってきた事業における試行錯誤の推進力でした。過去を振り返ることは、無意味に思えました。
しかし、演劇を観ながら感じたことは、過去を振り返ることでしか見えてこない、さまざまなひとたちとの絆だったと言います。ひとりで生きてきたわけではないとわかってはいたけれど、いまの自分の立場は、どれだけのひとたちの支援や思いやりのうえに成立しているのだろう。それをあらためて感じたのだとか。
ふたりの起業家に、それぞれの貴重な気づきの機会を与えたこの舞台劇。いつかまた、再びお目にかかれる日を望んでいます。
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