今回は、クラウドブックス株式会社代表取締役の鈴木収春氏にご登壇いただきました。
創業14年の出版エージェンシー・クラウドブックス社は、鈴木さんがおひとりで経営されている、いわゆる「ひとり出版社」の先駆けとも云える会社です。
会社設立以前は、大手出版社で客員編集者として働いていた鈴木さん。当時から出版不況という言葉が囁かれていましたが、想像以上の深刻さを目の当たりにし、大きなショックを受けたそうです。
本を一冊出すまでには、たくさんの労力と時間が必要なのですが、それが成果として結実しない虚しさ。本来は机とPCさえあれば成立するはずの業態なのに、なぜこんなにも儲からないのか。まわりを見渡すと、余計に思えるコストが会社中に散見されました。
本来の古きよき出版ビジネスを取り戻すにはどうしたらよいか。鈴木さんは会社を飛び出して、天性の楽天さと行動力で、儲かる出版社経営に挑む道へと進みます。
そこからはトライアンドエラーの日々。出版業界の慣習もなんのその。ハードルが高いと思われていた流通網の獲得と、最も出版社の経営を苦しめる要因となっている返本率の改善(注文出荷制の導入)にも着手。話題本の成功もあり、現在では大きく利益を出せる会社へと成長させました。
鈴木さんは、「ひとり出版社」を経営するメリットについても語っておられました。出版業をはじめることは、自分なりの表現手段を獲得するということ。出版社には、さまざまな機能が必要だが、いまではその機能のほとんどを外注する仕組みも整いつつある。コストの極小化でかならず利益は見込めるので、興味がある方はトライしてほしいし、今後は儲かる出版業を目指す若い方の支援にも取り組んでいきたい、とのことでした。
クラウドブックス社とホビーメーカー・ケンエレファント社が共同経営している出版社、クラーケンのホームぺージはこちら。
コメントをお書きください