自民党と立憲民主党の総裁選が行われます。党員や党友以外の方は全く関わることが出来ない選挙ですが、その先には解散総選挙も控えているかも知れません。私たちのこれからの生活にも関わってくるイベントですので、結果を注視したいものです。
私たちの生活に大きな影響を及ぼす政治。
その政治を動かす政治家を選出するのは、もちろん国民である私たちなのですが、私たちは彼らのことをどれだけ知っているでしょうか。彼らを評価し、彼らに国の行く末を託す国民としては、政治家がどういう生き物であるのかを、ある程度知っておく必要があります。
今回ご紹介する2020年公開のドキュメンタリー映画『なぜ君は総理大臣になれないのか(大島新監督/ネツゲン製作・配給)』は、現立憲民主党・衆議院議員の小川淳也さんの17年に渡る政治家人生を追った人間ドキュメンタリーです。小川さんが一政治家として、何に向かって日々邁進し、どのような苦悩を抱いてきたのかが克明に描かれており、人間ドラマとしても非常に興味深い作品でした。
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東京大学を卒業し、自治省(現総務省)に入省した小川さんは、次第に無力感に苛まれます。役所(役人)には惰性と慣性の法則が連綿と働いている。トップに座る大臣はお客さん扱い。これでは国が良くなるはずがない。小川さんにとって、日本の超高齢化と人口減少を前提にした持続可能な社会づくり(北欧諸国並みの高福祉国家構想)は、何をおいても優先しなければならない喫緊の最重要課題でした。
今すぐにでも政治家がリーダシップを取り、強い意志で改革していかねばならない。そう考えた小川さんは、まずは国会議員になることを目指して、地元の香川1区で衆議院議員に立候補します。エリート官僚の道を捨てて政治家を目指す小川さんに家族は猛反対しますが、彼の思いがブレることはありませんでした。
最初の選挙では落選したものの、次の選挙で比例ブロック当選を果たした小川さん。以降も議員当選回数を重ねるものの、全て比例区選出(比例区による当選議員は、選挙区当選議員よりも立場が弱いのだそうです)。しかも野党の政治家に大臣の椅子は遥かに遠い。小川さんの苦悩は深まるばかりです。
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