「笑い」とは、極めて人間臭く社会的なもの。最近大笑いしましたか?

隔月刊となって新年最初の号です。

本年も当ニュースレターをよろしくお願い申し上げます。

 「笑う門には福きたる」と云いますので、今回は新春らしく「笑い」をテーマにして書くつもりなのですが、わが身を振り返ると、ここ数年大いに笑った記憶がありません。家族と一緒にお笑い番組などを見ていても、カミさんと娘たちが愉快そうに大笑いしている横で、いつも私だけが蚊帳の外です。職場の女性スタッフさんはお笑い番組が大好きなようで、大きなコンテストが放送された翌日には、推しの芸人さんのネタについて、夢中で会話を楽しんでいます。

 

私の周囲では、男性同士でお笑い番組の内容を話題にすることは滅多にないので、もしかすると、ある程度の年齢を重ねた男性と女性とでは、女性のほうがお笑い好きが多く、日常生活でもよく笑っているのかもしれませんね。あくまでも、私の憶測に過ぎませんが。

 

「笑い」には、健康状態に良い作用をもたらすという医学的な研究結果もあります。私たちは笑うことで「免疫力が向上」し、「脳の動きが活発化」し、「血のめぐりが良く」なり、「自律神経が整えられる」そうなので、どの程度の効き目なのかは不明ですが、たくさん笑っていられる間は、お薬やサプリの類は必要ないのかもしれません。前述の私の見方とも合わせてみると、一般的には女性のほうが男性よりも寿命が長いのも、大いにうなずける気がします。

 

『ひょっこりひょうたん島』など、数々の代表作を持つ劇作家の井上ひさしさん(平成22年に75歳で他界)は、晩年に収録されたテレビ番組インタビューのなかで、「笑いとは、人間が作るしかないもの。(中略)人と関わって、お互いに共有しないと意味がないもの」という言葉を遺されています。

 

「苦しみや悲しみ、恐怖や不安というのは、人間がそもそも生まれ持っているもの」とする一方で、この「生きていく」そのものの中に「笑い」は入っていない。それは、他人との関わりのなかでこそ作り出すことが出来るものである、と表現されました。「笑い」を内包する文化が、極めて人間臭く、社会的なものであることを示唆する内容です。

 

そのインタビューは、「人間が言葉を持っている限り、その言葉で笑いを作っていくのが、一番人間らしい仕事だと僕は思うのです」という言葉で総括されています。「笑い」という感情表現の奥行と可能性を、強く感じさせるものでした。